
南海トラフ地震の被害想定は日本最大級!
日本中の広い範囲に甚大な被害が出ることが分かっている、考えただけでも恐ろしい地震です。
でも、何も知らないより正しく恐れ、その対策をする事で被害を最小限とする努力をしたほうが良いに決まっています。
このページでは、国が想定している南海トラフ地震の被害について、只々わかりやすく纏めています。
南海トラフ地震の被害想定と過去の大震災との比較
内閣府が公表している南海トラフ地震の被害想定の内容をまとめました。
冬の夕方、風速8m/s、早期避難率が低いなどの条件下での被害を想定しています。
平成24年に公表された被害想定について、最新データに基づいて、令和元年6月に再計算したものになります。
過去の災害と比較しやすいように、被害数を四捨五入しているので、あらかじめご了承ください。
●阪神・淡路大震災(1995年)
●東日本大震災(2011年)
建物の想定
阪神・淡路大震災での犠牲者の多くは、1981年以前に建築された木造家屋が倒壊しました。
- 阪神・淡路大震災
全壊10.5万棟 焼失7千棟 - 東日本大震災
全壊11.8万棟
南海トラフ地震では最大、全壊・焼失209万棟を想定!
被害想定の内訳です。
- 地震の揺れによる全壊 107.1万棟
- 津波による全壊 16.9万棟
- 液状化による全壊 11.9万棟
- 急傾斜地崩壊による全壊 0.46万棟
- 地震火災による焼失 72.9万棟
人的被害の想定
東日本大震災での犠牲者の92.4%は、津波に巻き込まれたことによる溺死でした。
- 阪神・淡路大震災
死者・行方不明者6千人 負傷者4.3万人 - 東日本大震災
死者・行方不明者2万人 負傷者6千人
南海トラフ地震では最大、死者23.1万人を想定!
被害想定の内訳です。
- 建物倒壊による死者 6.5万人
- 津波による死者 16万人
- 火災などによる死者 6千人
経済的被害の想定
巨大地震では経済的にも、とても大きな被害が出ます。
- 阪神・淡路大震災
約10兆円規模 - 東日本大震災
約16~25兆円規模
南海トラフ地震では最大、経済損失213.7兆円を想定!
被害想定の内訳はつぎの通りです。
- 被災地 171.6兆円
- 全国 42.1兆円
被災後20年で1,410兆円の損失になるという試算もあります。
ライフラインの被害想定
大地震では、ライフラインにも多大な被害がでます。
- 東日本大震災
停電世帯 800万戸以上
断水世帯 180万戸以上
南海トラフ地震の被災直後のライフライン被害想定です。
- 水道断水
被害者数 3440万人
復旧目安 1週間~2ヵ月 - 下水道の利用困難
被害者数 3210万人
復旧目安 数日~1カ月 - 停電
被害件数 2710万軒
復旧目安 数日~1カ月 - 通話不能
携帯電話 基地局の非常用電源供給が停止する1日後に停波が最大
復旧目安 数日~1カ月 - 通話不能
固定電話 930万回線
復旧目安 1週間~1カ月 - 都市ガス
被害件数 180万戸
復旧目安 2週間~1.5カ月
地震で起こる生活への影響
阪神・淡路大震災では32万人、東日本大震災では40万人の避難者がでました。
- 阪神・淡路大震災
避難者数32万人 - 東日本大震災
避難者数40万人
南海トラフ地震では最大で、
避難者数950万人を想定
- 避難者数
避難者数 950万人
避難所へ避難 500万人 - 被災都府県で対応困難な患者数
入院 15万人
外来 14万人
物資も不足し、食料は震災後3日で3,200万食が不足、その後4日で6,400万食も不足します。
飲料水は震災後3日で4800万㍑、その後4日で9,700㍑不足します。
避難者は避難所以外にも、空き地や公園などに避難するようになり、一時的に帰宅困難となる人は、中京・京阪神の都市圏で1060万人を想定しています。
エレベータ内への閉じ込め事故は、2.3万人に被害が出る想定になっています。
日本最大級になる南海トラフ地震の被害想定まとめ
南海トラフ地震での被害が大きいか小さいかは、過去の震災例との比較で見えてきます。
近年で最大の被害となった、東日本大震災との比較表です。
東日本 | 南海トラフ | |
全壊・焼失 | 11.8万棟 | 209万棟 |
死者 | 2万人 | 23.1万人 |
経済損失 | 16~25兆円 | 213.7兆円 |
停電 | 800万軒 | 2710万軒 |
避難者数 | 40万人 | 950万人 |
南海トラフ地震の被害想定が、どれほどの大きさなのか分かります。
見直されてきた耐震基準
過去、建物の耐震基準は改正されてきました。
その中で1981年6月に大幅に強化され、それ以前に建てられた家やマンションとは耐震性能がかなり違います。
1981年6月までは『震度5で倒壊しないこと』が基準だったのに対し、それ以降は『震度6強から7で倒壊しないこと』になっています。
2000年には木造住宅の耐震基準がさらに厳しくなっているので、最近建てられた家やマンションはある程度安心できるのかと。
ほかにも今からできる防災はいろいろあり、いざ巨大地震が発生した時の被害を少なくできます。